大事な友だちのスピーチ

数年前、関西の結婚式に出席したときのことです。東京の同じ職場で働く同僚が結婚をすることになり、どちらも関西出身なので、関西で結婚式を挙げることになりました。同僚たちと大勢で当日式場に向かい、大きすぎないこぢんまりとした式場での式となりました。人前式から、式場内のレストランでの披露宴となり、お互いを知る人たち(同僚)が多いので、笑いあふれる楽しい会になりました。そこで、妊娠の発表などもあり、ワイワイしたまま終盤の友人スピーチとなりました。

そこで、新婦の地元の友人が、したためてきた紙を読みながらスピーチをおこいました。決してしゃべりが上手、という訳ではないその話は、地元を離れ東京で暮らす新婦や、親戚も少ないふたりの東京暮らしを想い、「つらくなったらいつでも帰ってこい」という内容のものでした。いつもは地元のふたりではなく東京のふたりと一緒に仕事をし、遊んでいる私にとって、新婦の地元の姿を見た初めてのことであり、そのスピーチの内容は、門出を心から祝しながら、それでも離れていても心配はいつまでもしている、ということがハッキリとわかる素晴らしいものでした。

おもしろおかしい会ですし、まだ若い新婦の友人が、そういう空気から一転、本当に心配をしているその姿にふだんはおちゃらけている同僚たちも静まり、出席している人たち皆が涙を流す素晴らしいスピーチとなりました。その空気のまま、新婦の父もスピーチをするので、式の終盤は感動の雰囲気のまま終了し、凝った演出はないシンプルな会というのはなかなかいいものだなあと思わせる式となりました。

結婚式と言うと、感動を押しつけるようなものや、中途半端にふざけた感じのもの、会場の人の司会と進行ですごく形式ばったものなど、そんなに「良かったなあ」という体験をすることがなかったのですが、こういうズバッと真っ直ぐに、出席した人たちに自分たちの結婚を伝える、というかたちは素直に感動するのだなあ、と思う良い式と、良いスピーチでした。