大切な結婚披露宴であり得ないことが

ウェディングプランナーです。数年前の結婚披露宴の出来事です。今でも思いだすと心が痛みます。

披露宴の準備には半年から最短でも2か月ほどかかります。新郎新婦の思いをかなえるために、プランナーはお話を聞いてひとつずつ組み立てていきます。出席者の人数が多くなると、席次表の確認や、料理・引き出物の数や種類のチェックで大忙しです。

その引き出物で大失敗がおこりました。

内容も数量も何らミスなく当日を迎えましたが、あり得ないことがおきたんです。披露宴は滞りなく終了し、お客様も楽しんで帰っていただいたんですが、夕方近くに1本の電話がありました。出席していた親せきの方からの電話です。引き出物ののしが、まったく他人の名前だという電話でした。引き出物には必ず両家のお名前がはいります。前日引き出物が納品された際に、必ず間違いがないか確認をしますので、まず無いことですが、全部一つずつ開けてみるわけではありません。もしかして取引業者が何かのミスで1個だけ間違えたのかと思いましたが、それから1時間たたないうちに、3件4件と電話が入りました。

いやな予感です。その他人の名前が、隣の会場の両家名です。もしかして別会場の引き出物がついていた?いや、そういうことはあり得ません。通常は数も違うし、品物も違うし、絶対ありえません。いやな汗が出てくる中、2つの会場の引き出物の明細を見て、青ざめました。同じ品物です。その上、数も2つ違い。

ただ、別会場で取り違うなんて絶対ないこと、そんな事あってくれるなと祈りながら、サービス担当者と話をしましたが、やはりあり得ないと言います。それに数が2つ違っているのですから。

ところが、電話は鳴りやみません。覚悟をしました。会場まるごとつけ間違ったのなら、70名近くの倍、140名にご迷惑をかけています。何より、両家の大切な披露宴です。お詫びで済むことではありません。気を失いそうになるほどの動揺を抑え、両家へ連絡。自宅へ行き、事情説明。新郎新婦へ報告。今でも思い出すとどきどきします。140名のお客様の自宅へ正しいのしの引き出物を届け終えるのには、1週間しかかかりませんでした。役職のある社員数名で徹底的に急いでお詫びにまわりました。

後にも先にも絶対あり得ないミスです。チームの仕事ですので、誰がどうしたなんて関係ありません。後悔してもしきれないこと。スタート前に1個でいいから、私が引き出物のバックの中をチェックしていれば。のしは薄く透けて見えます。それを確認していれば。

今でも、いいえ一生このことは忘れないと思います。

お詫びしてもしきれない事なのに、寛大なお客様と新郎新婦には、感謝の気持ちでいっぱいです。そして今でも遊びに来て下さる新郎新婦の幸せを何より心から祈っています。